北京路の科技書店

広州に限らず、中国国内の書店のエンターテインメント化が進んでいる。店内でコーヒーや軽食を楽しめるだけでなく、ちょっとした出し物やレクチャー、器楽の演奏などを楽しめるようになっている。しかし昭和生まれの日本人にとって、テーマパーク的な本屋は居心地が悪い。望むらくは、書店たるものもっと硬派で、一見さんお断りくらいの心意気であって欲しい。

 

北京路の北側に、科技書店という古い門構えの書店がある。いつ頃に建てられた建物なのか定かではないが、いわゆる新華書店グループとしては 1949 年にこの地に開業したようだ。名前の通り科学技術系の書物を取り扱う書店で、そのシックな外見に負けず劣らず、店内にもかつての風情が随所に残されている。一階の右半分は文具コーナーで、中国製の万年筆インクの品揃えが、年々寂しくなっていくのを見ると心が痛む。左奥には昔懐かしい音像コーナーがあり、往年の香港ポップスや西洋古典音楽の CD や DVD が売られている。コンテンツの蒐集こそが趣味の王道だったころ、こんな店で裏技的に安価に CD を買い求めては悦に入っていた。

 

科技書店を訪れたからには、大時代的な階段を上って、2 階も覗いてみてほしい。なんだかカビ臭いような、懐かしいような本棚に、数多の医学書などが並べられている。こうした専門書の群れが醸しだす深閑とした空気は、洋の東西を問わず共通だ。スマートフォンではなく書物が、未知なる知への渇望を癒やしていた時代、書店や図書館にコーヒーの匂いなんて必要なかった。

 

【科技书店】
广州市越秀区北京路 336 号
営業日時: 月〜日 10:00 – 22:00

香港大学に行ってみよう (学術編)

アジア屈指の象牙の塔に潜入して、濃い顔のインド人見ながら、インド飯食べるだけなら、やってることが重慶マンションと同じじゃないか!と、お嘆きのあなた。今回は、そんな意識高いあなたも納得の、大学内知的スポットをご案内する。

 

まずは地質博物館。香港を訪れた日本人は「こんな野放図に高層ビル建てちゃって、香港って地震無いの?」と言う問いを必ず一度は口にする。その答えを知りたければ、ぜひこちらに!香港に地震は無くはないし、ビルもまあまあ安全なんだよ。と、学術的な解説がされている。他にも、ちょっとした子供くらいの大きさのアンモナイトの化石など、入場無料の割に見所豊富だ。ただし、大学内の施設ゆえ開館時間が平日午後のみなので注意。

 

次は、既述のビジターセンターの隣りにある、これも古くて可愛らしい建築物を利用した香港大学出版社書店。観光客で溢れるビジターセンターと違い、入店するのもちょっと敷居が高い感じだが、いかにも大学の書店と言う懐かしい雰囲気なので、怖気付かずに入店してみて欲しい。香港について興味のある方なら、香港大学出版社の質の高い刊行物の数々は、よいお土産になるはずだ。

 

なお、中国国内から香港への移動については、当ウェブサイト内の「珠海から香港へバスで」も参照していただきたい。 https://guangzhou.jp/bushkg.html

【The University of Hong Kong】
Pok Fu Lam, Hong Kong, Hong Kong SAR

香港大学に行ってみよう (ビリヤニ編)

香港の最高学府として、世界にその名を馳せる香港大学。じつは、高いのは偏差値だけではなく、ビリヤニ (インド式炒飯) のレベルも相当に高い。今回は、インド人留学生、スリランカ人留学生も大満足する香港大学内のエスニック料理の隠れた名店をご紹介する。

 

香港大学のメイン・キャンパスには、ローカル茶餐廳、サンドイッチ専門店、ベジタリアンレストランなど、意外にも多くの飲食店が存在する。しかし、広州カレー部員として見逃すわけにいかないのが、メイン・キャンパス東端の Swire Building 内にある Kebab House だ。当店は、ミシュランの星こそ未だ獲得していないものの、ハラル認証はしっかり獲得し、ケバブ、カレー、サモサ、ビリヤニと実に広い守備範囲を誇る。チキン・ティッカ (インド式焼き鳥) のピザなどという、他ではなかなか見られない珍品もあるので要チェックだ。

 

某スリランカ人の圧倒的おすすめは、当店のビリヤニ。SDGs に配慮した当世風の容器に盛られたボリュームたっぷりのビリヤニは、味とコスパで他を圧倒する。ついつい見落としてしまう小さくて無愛想な店だが、どことなくエスニックな学生たちに囲まれて、いつもとちょっと違う香港の味を楽しんでほしい。

なお、中国国内から香港への移動については、当ウェブサイト内の「珠海から香港へバスで」も参照していただきたい。 https://guangzhou.jp/bushkg.html

【The University of Hong Kong】
Pok Fu Lam, Hong Kong, Hong Kong SAR

香港大学に行ってみよう (観光編)

香港大学 (The University of Hong Kong, 略称 HKU)。孫文の母校でもある香港医科大学を前身とし、1911 年に創立された香港最古の超名門大学。2023 年版の大学世界ランキングでも、東京大学を上回る 21 位と非常に高い評価を得ている (QS World University Rankings 2023)。法学部、経済学部、医学部、建築学部など合計 10 の学部を擁する総合大学だが、とくに歯学部は三年連続 (2016 – 2018 年) で歯学分野の大学ランキング世界 1 位の栄冠に輝くなど、圧倒的な知名度と実力を誇っている。

今回は、そんな歴史ある香港大学に旅行者として堂々と潜入してみよう。香港島西部の山中に位置する香港大学のメインキャンパスは、かつて陸の孤島と揶揄されるほど不便な立地だったが、MTR の延伸に伴いアクセスが劇的に改善された。香港島を東西に走る青色の港島線で堅尼地城 (ケネディ・タウン) 方面に向かい、「香港大学」駅で下車すればそこはもう大学のキャンパス内だ。

高低差が激しく、さして広いとも言えない香港大学のメインキャンパス内には所狭しとビルが乱立しているが、まずは歴史的建造物の Main Building を目指そう。1912 年に建造された、香港大学のランドマークとも言える建物だ。バロック調の、しかしどことなくコロニアルで瀟洒な建物は多くの観光客の撮影スポットとなり、時にはウェディング写真を撮影する御一行も。卒業シーズンには、アカデミックガウンに身を包んで記念写真を撮る卒業生たちの姿も見ることができる。

 

床のモザイクが美しい内廊下や、静謐な内庭などは部外者でも見学可能なので、香港の雑踏と隔絶された、ゆったりとした時の流れを楽しんで欲しい。

 

キャンパス内を更に西に向かって進むと、古い建物を改装したビジターセンターがある。ここでは、アパレル、キーホルダー、文房具などありがちな大学オリジナルグッズを購入することができる。HKU のロゴ入りパーカーを着れば、あなたも立派な HKUer (港大生) だ!

なお、中国国内から香港への移動については、当ウェブサイト内の「珠海から香港へバスで」も参照していただきたい。 https://guangzhou.jp/bushkg.html

【The University of Hong Kong】
Pok Fu Lam, Hong Kong, Hong Kong SAR