
先述したように、橄欖壩 (ガンランパ) の傣族園からは、ラオス、ミャンマーの国境を巡るスピードボートのツアーが発着している。傣族園随一の撮影スポット、6 カ国国境の看板とともに写真を撮るためには、このボートツアーに参加しなければならないのが、行きすぎた資本主義という感じでおもしろい。とはいえ、そんな写真を日本で自慢したら、相当にこじらせた奴と思われかねないが。
このボートツアー、辺境地帯にしては、あるいは辺境地帯だからなのか、ちょっとビビるような値段設定ゆえ、我が Guangzhou.jp の取材予算を大きく上回ってしまい、あこがれのメコン川クルーズは泣く泣く諦めることとなる。あとから聞いたところでは、ネットの共同購入サイトなどを駆使すると、船賃はかなり安くなるらしいので、興味のある方は事前のリサーチが必須。とくに何時発のボートと予約する必要もなく、それほど混み合ってもいないので、その場で、順次、乗船すればよいようだ。

ゴールデン・トライアングルと言えば、タイ – ミャンマー – ラオス の国境が一堂に会する、あの悪名高い地域を想像するわけだが、傣族園のかなり強引な解釈によると、ここも中国 – ミャンマー – ラオス のゴールデン・トライアングルを名乗る資格があるらしい。そのロジックをさらに演繹したのが、上述の6カ国国境の看板。ここからメコン川を下れば、ミャンマー、ラオス、タイ、カンボジア、ベトナム (と、中国で 6 カ国) と国境を接していなくもない。と言うことだそうだ。ジャン・モリスの名著「香港」には、広州から一夜のクルーズで英領香港に至る感動的な描写があるが、ここからプノンペンまでとなると、ずいぶん間伸びした船旅になるだろう。

せめてメコン川をもっとよく眺められる場所に行こうと、傣族園を出て橄欖壩市街地の橄欖壩大橋まで歩く。朝方は、涼しくて随分歩きやすかったものだが、昼時になると命の危険を感じるほどに暑く、陽射しが強い。さいわい徒歩で橋を渡ることができるようなので、やっとの思いで階段を登り、上流側だか下流側だかよくわからないが、とにかくメコンの滔々たる流れを堪能する。折りよく、例のスピードボートの勇姿も、ここから認めることができた。

橄欖壩大橋の橋脚下には、塩梅よく夜市があり、休憩もかねてここで昼食をとった。夜市で昼食というのは、「清楚系港区女子」みたいで、なんだか矛盾しているような感じもするが、タイ族店主おすすめの和え物は、たいへん美味しゅうございました。

